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リンゴと守護神とペンギンと窓

事業承継について(1)

はじめに

齢を重ねると、終活も考えるようになります(まだ先だと思ってますが)。
先日、事業承継セミナーに行ってきましたので自分の備忘のためにも掲載しておきます。
すでにご存知の方には当たり前のことかも知れませんが、間違いがあれば指摘頂ければ幸いです。

とにかく税金を払うようになっている

勉強を始めて最初に驚いたのは、あらゆるところから税金を取ろうという仕掛けがあるということでした。
事業承継をするとき、所得税、相続税、贈与税、法人税の税法が私達からお金を奪い取っていきます(笑)
特に同族会社の場合は恐ろしいほど税金がかかります。

しかし、知っておくだけで税金を少なくする方法があるのですが、これは長いスパンでタイミングを図る必要があります。
押し目の底値で株を買うのと近いものがあります。

簡単な設例

資本金1000万円(額面5万円☓200株)の会社があります。株主構成は以下のとおり。

 保有株数比率取得単価
株主Aさん10株5.0%3万円/株
株主Bさん15株7.5% 
株主Cさん(筆頭・社長)125株62.5% 
株主Dさん25株12.5% 
株主Eさん15株7.5% 
株主Fさん10株5.0% 
合計200株100.0% 

株主Aさんは、会社立ち上げ時に苦労頂いており、社長の好意で3万円/株で株式を取得しています。
この会社は堅実に事業を行い、現時点の1株あたりの時価は15万円(時価の出し方は別途記載)となっています。

Aさんは高齢でもあることから株式を買い取って欲しいと社長に相談しました。
社長は今まで支えてくださったAさんに報いるため、時価を支払うことも考えましたが、他の株主さんも売却したいと申し出ることも考えられるため、額面どおりの5万円での売却を提案しました。
またその際、事業承継のため株主数を減らしたい意図もあり、誰か別の株主への売却ではなく、会社が買い取ることとしました。

Aさんは、30万円で所有した株を50万円で売却できたこととなり、事業を通して地域社会へ貢献できた上、銀行の金利よりは遥かに高い利ざやを稼ぐことができると考え社長の提案を受け入れました。

・・・果たしてこの話しは、このようなハッピーエンドなのでしょうか?

落とし穴

Aさんは(売却5万円ー取得3万円)☓10株=20万円の儲け・・ではないのです!

税務上の見方は、

  • (時価15万円ー資本金5万円)☓10株=100万円の利益配当とみなす(実際の現金の動きに関わらずです)
  • (資本金5万円ー取得3万円)☓10株=20万円の売却益とみなす

となっています。つまりAさんの100万円の利益配当に対して総合課税がかかります。総合課税は所得などと合計した累進課税なので税率が変わりますが、仮に年収1000万程度程度とすると40%ですので、100万円の40%、40万円の税金となります。
そして、20万円の売却益は分離課税となり、一律20%+復興債0.42%=20.42%の税率が適用され、4.8万円の税金となります。
つまり、合わせて44.8万円の税金を支払う必要があります。

5万円☓10株=50万円しかもらっていないのに、44.8万円も税金を払うのです!びっくり!

では、会社が買い取るのではなく、他の株主に5万円で売却する場合はどうなるでしょうか?

株主Hさんが登場し、Hさんに売却する場合も、時価15万円の株を5万円で手に入れるので、1株あたり10万円の利益を贈与されたことになり、Hさんは贈与税を支払わなければなりません。(ただし個人株主の場合、110万円の控除が適用可能。法人株主であれば受贈益に対して法人課税が行われます)
売却したAさんは20万円の売却益に20.42%の税金がかかります。

そもそも時価総額とは、働く皆で頑張った結果の経常利益から、法人税を払って残ったお金を積み上げた剰余金に最初の元手の資本金を加えたものです。
上場企業の利益は「株主に配当を!」と(私も)言いますが、非上場企業はそもそも市場から資金を調達できません。
銀行との折衝を有利にしたいこともあり、しかもこんな世の中なので剰余金を持っておきたいのがホンネです。
しかしながら、株式を移転するということは、取りも直さずこの剰余金+資本金を移転することとなるため、営利活動の一つとみなさるのです。

考えてみれば剰余金は株主から預かった資本を元手に増やしたお金なので株主のもので当然ですよね。

ですので本来あるべき姿は時価15万円×10株の150万円で買い取ることです。Aさんの元手30万円が150万円となり120万円の儲け。そこから44.8万円の税金を支払います。

が、この税金を安くする方法があります

では、どのように節税できるのでしょうか?
それは、時価総額の出し方とともに、次の記事で書いてみたいと思います。


(余談1)

先ほどAさんの株式を会社が買い取るという設例でしたが、株主全員の株を会社が買い取ることができるのでしょうか?
答えはNOです。最低一人の株主が必要となっています。

(余談2)

冒頭で同族会社のことを書きましたが、日本の中小零細企業の殆どは同族企業なのではないでしょうか?
同族会社の場合は、税率が高くなっています。そして「同族の範囲」は恐ろしく広いです。国はどうしても同族にしたがっているとしか思えません。
日本の場合、事業承継先として最も多いのが親族への事業承継です。78.8%を占めています。
しかし現経営者にアンケートした結果では、親族へ承継を考えている経営者は40.2%であるという統計も出ています。
では、事業承継のパターンを整理してみましょう。

後継候補者パターン承継方法メリットデメリット
いる親族内親族内承継
  1. 育成期間が確保できる
  2. 内外の関係者からの理解を得やすい
  3. 贈与・相続などの財産移転がしやすい
  4. 早期に候補者の選定が可能になる
  1. 資質がないが心情に負けて後継者としてしまう
  2. 兄弟で対立がおきやすい
  3. 後継者以外の相続人への財産分配が難しい
親族外(従業員など)従業員承継
  1. 実務に精通しているためスムーズな承継が可能
  2. 従業員のみならず、会社外からヘッドハンティングにより有能な経営者も選定できる
  3. 企業風土を保ちやすい
  1. 経営権を獲得するための資力が足りない
  2. 社長個人の債務保証の引き継ぎが難しい
  3. 経営者としての器
いない会社が売れるM&A
  1. 幅広く経営者候補を選択できる
  2. 現社長は会社売却で多額の現金を得られる可能性がある
  3. 従業員にとってもより良い条件となる可能性もある
  1. 現社長の意向に合った条件の会社を見つけるのは難しい
  2. 現社長は会社との関係が希薄になる可能性が高い
  3. 仲介会社への報酬負担が大きい
会社は売れない廃業
  1. 無理に続けることによる精神面での負担から開放される
  2. 終活のプランニングができる
  1. 従業員の雇用を守れない
  2. 清算にコストがかかる

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